大阪市のサントリーミュージアム活用策

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2011年4月
サントリーミュージアム活用の話
旧サントリーミュージアム〔天保山〕

サントリーミュージアムの再利用のための企画提案募集とはなにか、
大阪弁で言うたらこんな感じ、というまとめ。
「てごめにされてる」と表現した実態。



・今回の募集は、事業者を募集してるんじゃなくて、
 あくまでそのプレとなる企画提案を募集してます。

・サントリーではだめやったけど、他の民間で
 当初の目的「天保山地区の活性化」をなんとかしたい。

・天保山の他の施設との連携が少なかったんなら、
 一緒になんとかしてください。

・やってもらっても大丈夫かもしれませんけど、
 あんまり大きなリニューアルはせんと(お金をかけず)、
 マイナーチェンジでなんとかしてください。

・名前は考えてもらっていいですよ。
 将来は大阪ドームみたいに、ネーミングで収入を得る方法も考えてます。

・近代美術館ができるまでは、その収蔵展をやらしてもらいます。

・提案は、一般的な事業計画を作成してね。

・ただし10年までしか貸せませんよ。


「大阪弁で言うたら」の元ネタ、募集概要の整理は以下に。
 旧サントリーミュージアム〔天保山〕活用方策にかかる企画提案募集
 (2011年3月7日大阪市発表資料を整理)

●主旨
・「事業者募集」に先立つ「企画提案募集」
 (大阪市による活用方針策定に案を利用)

・活用のストーリー
 民間の力活用(経験、企画、実行力)
    ↓
 臨海部への集客力・魅力の向上
 (海遊館や客船ターミナルなど周辺施設との連携・調和)
    ↓
 天保山地区の活性化

●提案にあたっての注意
・基本的には旧施設内の区割りが前提だが、
 4つのスペースをいくつか合体させる案も可
 (シアター部、ギャラリー部、スカイラウンジ部、レストラン部)
・外観の大きな変更は不可だが、ある程度の改装は可
・名称の提案可
 (将来は、ネーミングライツの導入等も検討予定)
・近代美術館所蔵コレクションの展示を活用方針に取り入れる。

●提案内容(事業計画)
ソフト面
・コンセプト
・集客計画
・既存の施設等との連携策
・スケジュール(事業は10年以内の賃貸契約)

ハード面
・計画面積
・位置
・使用範囲
・設備の使用

マネー面
・収入
・支出(過去の光熱水費等費用については、現地施設見学時に開示)


じゃ、これまで大阪市では、
サントリーミュージアムについてどんな論議がなされていたのか?

1.サントリーミュージアムの近代美術館への転用について
  大阪市 博物館群運営企画担当部長・安田氏
  (2009年9月の近代美術館あり方検討委員会会議録より)

 ・美術館として非常に使い勝手が悪い
   (シアター17,000㎡、ギャラリー1,000㎡で、
    ほとんどシアターが占める構造)
   (コーヒーカップのような建物)
 ・近代美術館所蔵のコレクション展示場としては狭い
   (1,000㎡のギャラリーでは、約4,400点の作品を展示できない)
 ・近代美術館コレクション展を旧サントリーミュージアムの
  ギャラリーで開催するなどは可能
   (これまでは近代美術館(仮称)心斎橋展示室で開催)

2.サントリーミュージアムの失敗について
  近代美術館あり方検討委員会 委員長 河本 信治氏
  (京都国立近代美術館学芸課長)
  (2009年9月の近代美術館あり方検討委員会会議録より)
 
 ・学習のために、失敗例を分析すべき
 ・美術館を採算だけでなく、評価する別のパラメーターが必要
 ・人の住んでいない天保山に人を呼び寄せるためには、
  わざわざ出かけてみるような
  エンターテインメントや祭りの空間があるべき
   (横浜や神戸のようにそばに人が住んでるなら成立していたかも)
 ・近代美術館は、失敗したサントリーミュージアムとは性格が違う
   (お祭りの場所をつくろうとしてるんじゃなくて、
    日常の中で美術と生活と結びつけようとする近代美術館像)
   (近代美術館は、市民参加や市民協働型の美術館にという方向)

3.大阪市とサントリーの合意について
  (2010年9月の政策会議資料より整理)

 サントリーの大阪市への協力
 ・サントリーミュージアム〔天保山〕の施設を寄贈
 ・大阪市へ7億円の寄付
   (大阪市の文化振興及び地域活性化の支援金)
 ・グランヴィルコレクション及び関連作品約2万点の寄託
   (サントリーの所有する世界有数のポスターコレクション )

4.サントリーミュージアムの活用について
  (2010年9月の政策会議資料より整理)

 ・ストーリー
  サントリーミュージアム[天保山]の活用
     ↓
  近代美術館の整備の推進
   (所蔵するコレクションの展示場、イベント会場等として活用 )
  天保山・築港地区の活性化
   (ここは「海の御堂筋」の玄関口で、
    海と都心をつなげる新たなまちづくりへ)
   (もっと観光客を、文化振興を)
   (周辺施設も含めて、地区全体の活性化計画を策定)
     ↓
  情報発信機能の維持・強化
   (デザイン産業の振興)
     ↓
  大阪の文化力の向上

 ・施設はとりあえず、文化活動の拠点として
  ギャラリーを中心に活用し、運営コストを縮小。
 ・公募によって新たな民活を
  (シアターの他の用途への転活用なども含めて、民間事業者を公募)

5.近代美術館の代替施設としての活用について
  (2011年1月の行政評価委員会大規模事業評価部会での資料を整理)

 近代美術館の代替施設としてのサントリーミュージアム
 ・美術館機能が小さく、近代美術館の代替施設とはなりえない
   (展示室+収蔵庫+レクチャールームで1,255㎡、
    近代美術館の計画は6,796㎡)
 ・改修して近代美術館の機能をまかなうには、経済的にも技術的にも困難
   (見積は8.5億円超のうえ、構造強度上問題あり)
 ・増床できても、近代美術館の計画の半分以下の面積
   (増床可の面積は1,150㎡で、合わせても2,405㎡)

6.ギャラリースペースだけで近代美術館分館として活用について
  (2011年1月の行政評価委員会大規模事業評価部会での資料を整理)

 分館としてのサントリーミュージアムのギャラリースペース
 ・面積が不十分で、常設展示の一部か
  小規模な企画展示のどちらかにしか利用できない。
 ・展示ができたとしても、収蔵庫が小さいので、運搬などに金がかかる。
 ・ギャラリーだけの利用といっても、エントランスも必要なので金がかかる。
  (メインロビーの設備メンテナンス費や警備・清掃費など)
 ・ギャラリーだけの活用は合理的でない
  (建物のほんの一部を活用するよりも、
   建物全体の活用について検討する方が合理的、
   寄贈を受けた目的にも合致する)

7.今後の活用予定について
  (2011年1月の行政評価委員会大規模事業評価部会での資料を整理)

 ギャラリースペースでの近代美術館収蔵展について
 ・(会場)サントリーミュージアムのギャラリー部分
 ・(期間)平成24年度から近代美術館を中之島に開館するまでの間
 ・(日数)年間3本程度、あわせて200日程度予定
 ・(形式)あくまで貸館・貸ギャラリーの利用(施設全体の活用ではない)

 サントリーミュージアム全体の運営
 ・サントリーからの寄付目的は、大阪市の文化振興
  及び天保山・築港地区の地域活性化なので、
  合致する業態に利用を限定
 ・ギャラリースペースは貸しギャラリーとして機能を継続
 ・建物全体がミュージアムとしての体裁をとらない可能性も

とまぁ、「合理的」に見えるような検討がなされて、
企画提案の募集となったとされる。
ミュージアムとしての活用は無理かもと思いながら、
企画を募っているのは、他の活用のあてがあるからやろか?
テナントとしてライブハウスやクラブを入れて、
そのテナントが撤退する言うたら、ほんだら別のんいっときましょか?
でも、なんとかにぎやかにしとかな、家賃もらわれへんなぁという感じ?

近代美術館計画が前提となったサントリーミュージアム活用策やけど、
その近代美術館計画の是非は納得ずくめなのか?
収蔵品は、観光資源となるほどええもんなのか?
心斎橋でやってる収蔵品展は人気があるのか?
近代美術館が狙っている市民参加や市民協働の試験はやってるの?
計画ありきって言うと、東電とかわらへんのちゃうの?
まだ触れへんけど、近代美術館にしても「あり方検討委員会」の
会議録を見ると、つっこみどころ満載。
これが大阪市のいう「みんながんばってます」なんでしょうか?
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by mamorus7 | 2011-04-25 02:04 | 社会


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